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BtoB企業のマーケティング体制構築と広告インハウス化ロードマップ

投稿日
2026.1.4
更新日
2026.1.4
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BtoB企業、特に製造業において「マーケティング体制の構築」や「広告運用のインハウス化」は、もはや一部の先進企業だけの取り組みではありません。展示会や代理店依存から脱却し、継続的に見込み顧客を獲得するための“経営課題”として、多くの企業が本格的に向き合うフェーズに入っています。

本記事では、BtoB企業が広告内製化を軸にマーケティング体制を構築していくための全体ロードマップを、実務視点で解説します。

単なる理想論ではなく、現場で起きがちな失敗や組織的な壁も踏まえながら、「何から始め、どこでつまずき、どう乗り越えるべきか」を具体化していきます。

なぜ今、BtoB企業にマーケティング体制構築と広告インハウス化が求められるのか

かつてBtoBマーケティングの中心は展示会や紹介、営業個人の力量でした。しかし近年、顧客の情報収集行動は大きく変化しています。購買担当者の多くは、営業と接触する前にWeb検索や比較検討を行い、一定の判断を下しています。

にもかかわらず、

  • リードは取れているが商談につながらない
  • MQLとSQLの定義が曖昧
  • 広告費は使っているが、なぜ成果が出ているのか説明できない

といった課題を抱える企業は少なくありません。

これは「施策の問題」ではなく、マーケティング体制そのものが未設計であることが原因です。広告を代理店に丸投げしていては、ノウハウも判断基準も社内に残りません。そこで重要になるのが、広告運用を含めたマーケティング機能の段階的なインハウス化です。

BtoBマーケティング体制構築の全体像

BtoB企業のマーケティング体制は、いきなり完成形を目指すものではありません。多くの成功企業は、以下のようなステップを踏んでいます。

まずは「集客(リード獲得)」、次に「リード育成(MQL化)」、そして「営業連携(SQL化)」という流れを整理し、それぞれに責任者と指標を設定します。この中で広告はあくまで一要素であり、CRMやMA、営業プロセスと分断されていては機能しません。

広告インハウス化は「内製=全部自分でやる」ことではない

広告の内製化というと、「運用作業をすべて社内でやる」イメージを持たれがちですが、それは誤解です。重要なのは意思決定と改善の主導権を社内に持つことです。

たとえば、

  • KPI設計やターゲット定義は社内で行う
  • 運用作業の一部は外部に任せる
  • 数値レビューと改善方針は必ず社内で判断する

といった形でも、十分にインハウス化は成立します。

実際の現場では、以下のような分業体制で広告インハウス化を進めている企業が見られます。

  • 社内で担う領域
  1. 事業KPIに紐づいた広告KPIの設計(CPA・LTV・許容獲得単価の設定)
  2. ターゲット・ペルソナ設計および訴求軸の決定
  3. 月次・週次での数値レビューと改善優先度の判断
  4. 予算配分や媒体選定など、経営判断に近い意思決定
  • 外部に委託する領域
  1. 広告入稿や配信設定、細かな運用オペレーション
  2. クリエイティブ制作(バナー・動画・LPデザイン)
  3. 一時的な検証施策や新媒体立ち上げ時のサポート

このように、「戦略と判断は社内、作業と専門領域は外部」と明確に役割を分けることで、完全内製よりもスピードと再現性を担保しながら、広告運用の主導権を社内に残すインハウス体制が実現できます。

BtoB広告インハウス化ロードマップ【実務ベース】

フェーズ1:現状把握とKPI再設計

最初に行うべきは、広告アカウントの改善ではありません。「そもそも、何を成果と定義しているのか」を整理することです。

BtoBではクリック数やCV数だけでなく、

  • MQL化率
  • SQL化率
  • 商談単価
  • CAC

といった指標が重要です。

 

フェーズ2:広告運用の一部内製化とナレッジ蓄積

次に、広告運用の一部を社内で担い始めます。最初から完璧を目指す必要はありません。

  • 入稿内容の理解
  • レポートの読み解き
  • 改善仮説の立案

この3点を社内で回せるようになるだけで、広告の再現性は大きく向上します。

過去にご支援した企業様の例でお伝えすると

内製化の一歩目として、広告文・キーワードの入稿作業を行なっていたが、「とりあえず配信してみる」状態が続き、成果が安定しない時期ができており、レポートを見ても改善の優先順位が判断できなかった点が原因でした。

そこで、入稿内容・仮説・結果を簡単なシートで記録し始めたところ、どの施策が成果に寄与したのかを社内で共有できるようになり、広告運用の知見が徐々に蓄積されていったというケースがありました。

フェーズ3:CRM・営業連携まで含めた体制構築

広告成果を最大化する鍵は、営業との連携です。

広告→問い合わせ→営業→受注、という流れが分断されている限り、真の改善はできません。

ここで重要になるのが、

  • MQL/SQL定義の明確化
  • CRMへのデータ統合
  • 定例レビューの仕組み化

です。

製造業・BtoB企業に多い失敗パターンと回避策

多くの企業が陥る失敗は、「人がいない」「時間がない」という理由で、結局代理店依存に戻ってしまうことです。しかし実際には、体制設計の問題であるケースがほとんどです。

たとえば、

  • マーケ担当に意思決定権がない
  • 営業部門とKPIが分断されている
  • 広告成果を評価する基準が曖昧

といった状態では、内製化は機能しません。

これまで複数の製造業・BtoB企業の広告内製化を支援してきましたが、失敗する企業の多くは「スキル不足」ではなく「体制設計の不備」に起因しています。逆に、意思決定権と評価基準を整理した企業は、特別な人材を採用せずとも内製化を軌道に乗せています。

まとめ:広告インハウス化は「手段」であり「目的」ではない

広告インハウス化の本質は、運用コスト削減ではありません。

マーケティングを「再現性のある仕組み」にすることです。

そのためには、

  • 体制設計
  • 指標設計
  • 営業連携

を含めた全体最適が不可欠です。

もし今、

  • MQL→SQLの歩留まりに悩んでいる
  • 広告成果を説明できない
  • 展示会依存から抜け出せない

と感じているなら、それは「施策」ではなく「体制」を見直すタイミングかもしれません。

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著者情報

別府 大樹

Daiki Beppu

別府 大樹

株式会社PromotionInHouse 代表取締役CEO

株式会社PromotionInHouseにてWebマーケティングのインハウス化支援事業を展開。生成AI、プログラミング、マーケティング、プロダクト開発のプロフェッショナル。

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