
企業が顧客データを扱う上で、個人情報保護法やGDPR対応といった法規制は避けて通れない課題です。それに伴うセキュリティ・プライバシー対策も重要な課題です。せっかく顧客管理(CRM)を導入しても法違反やセキュリティリスクが発生すればビジネスに大ダメージです。そこで本記事では、法規制・セキュリティ・プライバシーに関する基本的なポイントから、具体的な対策方法までをわかりやすくまとめました。
下記の記事でCRM全体像を押さえたうえで、本記事で法規制やセキュリティの要点を再確認しましょう。
>>徹底解説!CRMマーケティングで顧客と長くつながる秘訣
個人情報保護法やGDPRへの対応
1. 個人情報保護法のCRMへの影響
日本国内で顧客データを取り扱う場合、個人情報保護法の改正内容を理解し、適切に運用する必要があります。
・顧客データの利用目的を明確化: 取得時に利用目的を通知または公表し、目的外利用を避ける。
・安全管理措置: 情報漏えいを防ぐためのセキュリティ対策や従業員教育が求められる。
2. GDPR対応(EU一般データ保護規則)
EU圏内の顧客情報を扱う企業は、GDPRの厳しい規制にも注意が必要です。
・データ主体(顧客)への権利保障: データの閲覧・訂正・削除要求に応じる仕組みを整える。
・データ移転: EU域外へデータを移転する場合は、適切な保護措置を講じることが必須。
セキュリティリスクへの具体的対処法
1. 暗号化とアクセス権限管理
顧客情報が外部に流出すれば、企業の信用は大きく損なわれます。そのため、以下のような対策が不可欠です。
・暗号化: データを送受信する際(通信の暗号化)だけでなく、データベースそのものを暗号化することも検討。
・アクセス権限管理: 部門や役職ごとに閲覧・編集可能な範囲を限定し、不要なデータアクセスを防止。
2. 監査ログ活用
「いつ、誰が、どのデータにアクセスしたか」を残す監査ログを活用し、異常なアクセスや不正利用を早期に発見します。
・監査体制の確立: 定期的にログをレビューし、疑わしい行動がないかをチェック。
・ツール連携: ログデータをSIEM(セキュリティ情報イベント管理)ツールと連携する。リアルタイム監視を行う企業も増えている。
3. 従業員教育
ITシステムのセキュリティ対策が万全でも、内部不正やフィッシング詐欺への対応が甘いとリスクが残ります。従業員に対する定期的な研修やマニュアル整備が必須です。
プライバシーポリシー策定のポイント
1. プライバシーポリシー 作成の基本
ウェブサイトやアプリで顧客データを収集する場合は、プライバシーポリシー 作成が欠かせません。
・取得情報と利用目的: どのような個人情報を、何の目的で収集するのか明示。
・第三者提供の有無: 提供先や目的、手段を具体的に示す。
・問い合わせ窓口: ユーザーが自分のデータ開示や削除を求めたい場合の連絡先を明記。
2. 最新法令へのアップデート
法改正が行われた場合や、企業のサービス内容が変わった場合には随時更新が必要です。古い情報のまま放置すれば、法的リスクだけでなく、ユーザーからの信頼も損なう可能性があります。
CRMの運用についてはこちらにもまとまっていますのでぜひご覧ください。
Pマーク取得と運用の要点
1. Pマーク 取得 要件
Pマークとは日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が個人情報を適切に扱う事業者を認定する制度です。
・要件: 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の構築、規程類や体制の整備、監査・教育の実施など。
・メリット: 取引先や顧客からの信頼度向上、コンプライアンス意識の徹底が図れる。
2. 運用上の注意点
Pマークを取得したり終わり、ではありません。定期的に更新手続きが必要です。運用ルールを守り続けることが大切です。
・内部監査の実施: 定期的にPMSが機能しているか、問題点がないかを監査・改善。
・教育・周知: 新入社員やプロジェクトメンバーが増えるたびに、個人情報保護の重要性とルールを共有。

参照元:起業LOG
まとめ
顧客データを最大限活用するためには、法規制やセキュリティ、プライバシー対策の遵守が欠かせません。特に個人情報保護法 CRMやGDPR 対応は、グローバル化において必須の要件です。具体的には以下のポイントを意識するとよいでしょう。
1.法規制の最新動向を把握
個人情報保護法やGDPRの改正情報を定期的にチェック。プライバシーポリシーをアップデート
2.セキュリティ対策を徹底
暗号化やアクセス権限管理、監査ログなどを活用。外部・内部両面のリスクに備える。
3.Pマーク取得で信頼度向上
取得・運用の仕組みを整える。社内全体でコンプライアンス意識を高める。
さらに詳細なCRM導入ノウハウはこちらでも紹介しています。
企業として責任あるデータ活用を行うことで、顧客との信頼関係もより強固なものとなるでしょう。