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顧客データを活かす!セグメンテーション戦略

投稿日
2025.2.10
更新日
2025.2.21
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顧客との長期的な関係構築において、「セグメンテーション」と「パーソナライゼーション」は欠かせない戦略の一部です。本記事では、RFM 分析やデモグラフィック分析などを解説します。これらはセグメンテーション手法と言われるものです。さらに顧客に合わせた施策(パーソナライゼーション)の具体例を紹介します。記事の内容は、「徹底解説!CRMマーケティングで顧客と長くつながる秘訣」で述べた全体像と関連しつつ、より深い実践レベルの情報を提供します。

セグメンテーションの基本手法

1. RFM分析で優良顧客を把握

RFM分析とは、顧客が「直近いつ購入したか(Recency)」「どれくらいの頻度で購入しているか(Frequency)」「累計購入金額はどの程度か(Monetary)」を指標に、優良顧客や休眠顧客などを分類する方法です。

・活用のポイント: 購買頻度が高いが購入金額が小さい顧客への追加提案、あるいは一度に大きく購入したがリピート率の低い顧客へのフォローなど、施策を絞り込みやすくなる。

2. デモグラフィック分析で属性を把握

デモグラフィック分析とは、年齢・性別・居住地域・職業など、顧客の属性データを活用したセグメンテーションです。ECサイトなどでは、ファッションの好みや家族構成など、さらに細分化した属性でターゲティングが可能になります。

デモグラフィック分析

3. 行動データ分析

Webサイトの閲覧履歴、メール開封率、SNSでのエンゲージメントなど、顧客データ 活用が進むほど行動ベースのセグメンテーションが可能となります。複数回商品ページをチェックした顧客や、カート放置を繰り返す顧客など、行動パターンから興味関心を推測できるのが強みです。

セグメンテーション施策の成功事例

1. メール配信のパーソナライズ

パーソナライゼーションの施策の代表例として、セグメント別や個別ユーザーの行動履歴をもとにメールの内容を変える方法が挙げられます。

・事例: あるECサイトでは、RFM分析で上位のVIP顧客に限定クーポンを配布し、リピート率が25%向上したというケースがあります。

・ポイント: メール本文だけでなく、配信タイミングも顧客の行動パターンに合わせることで開封率が高まります。

2. Web接客の最適化

Web上での商品閲覧履歴や検索キーワードなどをもとに、ポップアップやレコメンド枠の内容をパーソナライズする「Web接客」も効果的です。

・事例: サイト滞在時間が一定以上のユーザーに限定クーポンを提示した結果。平均滞在時間が15%向上し、問い合わせ件数が増えた成功例があります。

3. 動画やSNSでのパーソナライズ

最近はSNS広告や動画配信でも、ユーザーの興味関心に合わせてクリエイティブを出し分ける取り組みが増加中です。特に若年層向け商品などでは、パーソナライズされたTikTok広告やYouTubeプレロール広告が効果を発揮しています。

セグメンテーションの運用フローとツール活用

1. データ基盤の整備

まずは、CRMシステムに蓄積された顧客データが正確かつ最新であることが前提です。重複データや古い情報が多いと、セグメントの精度が下がります。そのような状態では施策効果が期待できないのも容易に想像できます。

運用段階で複雑なツール連携が必要な場合は、こちらの記事も参考にしてください。

2. セグメントの仮説・検証を小さく回す

最初に大規模なセグメント分けをするより、目的や施策に合った小規模なセグメントを作り、テストマーケティングで検証するやり方がスムーズです。反応が良いセグメントを拡張・最適化していくと、無駄な工数を減らせます。

3. MAツールやBIツールの活用

大規模サイトや多チャネル展開を行っている場合に重要なことはなんでしょう。それはMAツールやBIツールを導入し効率化することです。自動化されたワークフローでメール配信やWeb接客が可能となります。さらに定量的にモニタリングすることで、継続的な改善が可能となります。

MAツールを活用したCVアップの成功事例の記事はいくつもあります。
例えばWeb担のこちらの記事をご参照ください。

4. 継続的なデータ更新とフィードバック

顧客データは刻々と変化するため、定期的に最新情報を取り込む体制を整えましょう。営業やカスタマーサポートからもフィードバックをもらいましょう。お分かりのように現場の生の意見は貴重です。セグメント定義やパーソナライズ施策をアップデートしていくことが重要です。

セグメンテーションのまとめ

「セグメンテーションとパーソナライゼーション」とは?それは顧客情報を活用しマーケティングを成功に導くための重要なステップです。具体的にはRFM分析をはじめ、デモグラフィック分析や行動データ分析などです。これらを組み合わせて精度の高い顧客セグメントを作り出します。その上でメール配信やWeb接客などをパーソナライズしロイヤルティを高めましょう。

しかし、データを活用するには体制づくりやツール選定も欠かせません。CRMシステムに正確なデータを蓄積し、MA/BIツールと連携することが重要です。これにより施策の自動化や効果測定が効率的に行えます。小さな成功例を積み重ね、セグメンテーションの精度を高めることがカギです。

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著者情報

別府 大樹

Daiki Beppu

別府 大樹

                                       

株式会社PromotionInHouse 代表取締役CEO

新卒で三菱UFJ信託銀行入社。その後、外資系アドテクノロジー企業3社にて約10年勤務。デジタル広告の営業と運用業務、広告主サイドとメディアサイドにて幅広く従事。外資で働く傍ら、2017年、システム受託開発を提供するreservele株式会社を創業。その後、2024年、デジタルマーケティングの民主化を目的とし、株式会社PromotionInHouseを創業。